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化粧品成分/美容・健康情報 AtoZ 記事一覧へ エプソムソルトとは？ 効果と安全性 〜 セレブご用達というキャッチフレーズに疑問 〜 エプソムソルトとは水分を含んだ硫酸マグネシウムで、エプソム塩またはエプソン塩とも称されます。エプソムソルトの化学式はMgSO4・7H2Oとなります。そのため、「硫酸マグネシウム 七水和物」とも表記されます。ももともとエプソムソルトはは結晶状（クリスタル）ですが、粉砕すれば白色の粉末となります。化学式から計算すればおわかりだと思いますが、水分含有量は約半分となります。 同じ硫酸マグネシウムでも、水を含んでいないものもあります。それは無水硫酸マグネシウムとよばれるもので、化学式はMgSO4でまったく水が含まれていません。この無水硫酸マグネシウムは、吸湿性のある白色の粉末です。このことから、エプソムソルト100gに対して、同等の働きをもつ無水硫酸マグネシウムは、50gということになります。 このエプソムソルトは決して新しい素材ではなく、古来より使用されてきた、きわめて安全性の高い物質です。弊社がタラソテラピー化粧品の企画の際にお世話になっている海藻工業研究所（ＣＥＶＡ/在フランス・ブルターニュ）にれば、ヨーロッパではエプソムソルトは足の痛み癒すフットバスに、伝統的に使用されてきました。また現在でも、爪甲嵌入症（足指の側に食い込んだ爪/巻き爪とはまた別）や乾癬の患者さんに、エプソプソルトを使用した在宅治療を推奨しているドクターもおられるようです。 このように特定の皮膚病等にたいへん効果のあるエプソムソルトですが、最近のインターネット上では違った趣きの宣伝がなされているようです。それは、海外のセレブご用達といった、なんとも雅な響きです。しかし先ほど記述したように、弊社はタラソテラピー入浴料や入浴剤に関する情報を、国内だけでなく海外よりの情報等も常時入手しておりますが、そのような情報を耳にしたことがございません。また弊社は、いわゆるセレブさんもご利用の有名リゾートホテル様へ、施術用のタラソテラピー入浴料を納入させて頂いておりますが、エプソムソルトの情報は皆無です。 そのような宣伝では、おおよそ下記のような効果が書かれています。 �@ダイエット・痩身効果 �A温浴効果・ポカポカよく温まる �B発汗効果 �C温泉やタラソテラピー入浴剤のように湯冷めしにくい �D潤い美肌効果 �Eむくみ改善 �Fリラックス効果 そして販売者/メーカーによっては、下記のような効果も見受けられます。 �Gマグネシウム不足を補う �Hけいれんを抑える・改善する �Iアトピー性皮膚炎改善 �@のダイエット効果については、エプソムソルト入浴で痩せたというお話は、弊社は聞いたことが一度もございません。むしろ逆に太ったという方がおられました。長時間のエプソムソルト入浴で、疲れ果ててストレスをためすぎたようです。 �Aの温浴効果は、入浴中に限ってはよく温まります。温浴効果は、マグネシウムが経皮摂取する際に、イオン交換されることによって生じます。マグネシウムは経皮摂取するスピードが速く、お湯に浸かったらすぐに始まります。 �Bの発汗作用については、お湯の温度と上記�Aの発熱で、爆汗といってよいほど汗が出てくるでしょう。このこの効果を得るために、発汗系入浴剤には上記の無水硫酸マグネシウムがよく配合されます。 �Cの湯冷めしにくいは、まったくの誤りです。温泉や死海の塩やタラソテラピー入浴剤と違って、エプソムソルトは単一成分です。温浴効果は浴槽内で開始する分、終わりも早いわけです。温泉やタラソテラピー入浴剤の場合は、いろいろな成分が時間差で経皮摂取されるため、最長24時間の温浴効果があります。 �Dの潤い効果ですが、弊社のモニターさんでの官能テストをしたところ、いわゆる美肌温泉やタラソテラピー入浴剤ほどの、潤い美肌効果はエプソムソルトには認められませんでした。 �Eのむくみ改善効果については、適切な温度（38℃前後）の浴槽のお湯に浸かる自体が、むくみ改善に必要とされる血行を促進することになるでしょう。そしてマグネシウムが体内に経皮摂取されて血管で運ばれる必要があるため、少なくとも浴槽内では血行も高まるでしょう。しかし単一成分のため、入浴後は血行は落ち着いてしまうでしょう。 �Fのリラックス効果については、適切な温度（38℃前後）の浴槽のお湯にに浸かる自体が、リラックス効果につながるでしょう。しかし弊社のモニターさんでの官能テストをしたところ、いわゆる温泉や死海の塩やタラソテラピー入浴剤ほどのリラックス効果は、エプソムソルトには認められませんでした。エプソムソルトを使用した30分以上の長時間の入浴であれば、リラックスどころか疲労感でいっぱいになってしまうでしょう。 �Gのマグネシウム不足を補うという記述は、それはそれで間違いのないことでしょう。しかし普通の食事をするだけで、マグネシウム不足は生じないとされています。従いまして本当にマグネシウム不足に陥っているのであれば、マグネシウムだけをお風呂で摂取するのは不健康といえるでしょう。他のミネラルも不足していることになります。 �Hも上記�Gと同じく、マグネシウム補給だけで問題は解決できないでしょう。けいれんはカリウム不足やマンガン不足やカルシウム不足によっても生じます。 �Iのアトピー改善効果については、あまりみかけません。確かにセラミド合成にはマグネシウムが、中心的役割を果たすことが知られています。しかしそれは、カリウムや他の微量ミネラルも豊富に含有する「粗製塩化マグネシウム」の場合であることが、よく報告されています。 以上のように、エプソムソルトは単一成分であるため、温泉やタラソテラピー入浴剤の効果までは得られないでしょう。エプソムソルトをタラソテラピー入浴剤などと主張しているサイトもあるようですが、それはまったくの誤りです。高い値段で買ってもらおうといった意図があるかもしれませんので、お財布の中身を無駄にすり減らさないためにも、そのあたりは注意すべきでしょう。 （アメブロの類似記事） （はてなブログダイジェスト版記事） 化粧品成分/美容・健康情報 AtoZ 記事一覧へ

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